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吉田美奈子&森俊之 DUO 2018を終えて

吉田美奈子&森俊之 DUO TOUR 2018を終えて、少しづつ日常復帰をしながらも、その長く深い余韻に浸っております。

美奈子さんのバンドでは7年、そしてピアノデュオでは4年とやらせていただいてますが、自分の音楽活動の中でも最も根幹とも言える核となる存在と言っても過言ではありません。

毎年毎年このブログで語ってることではあるのですが、音楽とは?人間とは?人生とは?それら全ての「本質」に真摯に向き合いたい。

あらゆる面で一度足し算をし、そして基本デッサンをきちんと描くようにデフォルトをこしらえ、そしてそこからさらに本質的な部分に到達できるよう引き算をしていくというメンタリティをいかに持てるか。揺るぎなく持ち続け、本当の自分自身と自分の中にある音楽をひたすら磨きをかけていくという。

自分がこの音楽界のどんなフィールドにいてどんなスタイルでどんなジャンルの音楽をやっているか?どれほどの演奏スキルやアイデアを見せるとか?どれだけ沢山の音楽に精通してきたか?なんていう、ちっぽけな上っ面で軽薄な外面ではなく、歌とピアノというミニマムは編成において、まだどこにもないポピュラー・ミュージックを表現していきたい、そしてそれすら拘りを捨て、ひたすら音楽と自分自身の本質を表現していきたいという。

今回、第1クール〜第2クール〜第3クールと大きく分けて三回の旅となりました。

個人的なことですが、今年の1〜3月と冬眠するがごとく制作仕事のみをやってたことによって、ピアノや鍵盤に触れることが極端に少ない冬を過ごしました。案の定、素人レベルでもわかるほどスキルが落ちました。演奏者にとって楽器を触らない時間が長くなるというのは、本当に命取りになります。作曲や編曲やスコア・ライティングという意味では価値ある自己実現ができたとしても、そこに時間をかけた分失ったものも大きいわけです。

焦りました。真剣に技術的な練習をやりました。それでも3月の下旬にリハーサルに突入した時、その低下ぶりを美奈子さんに一発で見抜かれました。それからひたすら個人練習。とにかくそんな状態でツアーが始まることは許されない。

第1クールは、スキルを向上させ、あらゆる足し算を試み、そして音楽的デフォルトをコツコツと作っていくという目標を持って磨くことに必死でした。今を思えばそういう日々を送りました。

第2クールは、調子に乗り出す自分が出始め、行ってはならないところ、つまり外面の表現、言わばイイ格好しい的な部分が見え隠れし始め、良い時と悪い時の波が大きくなり始めました。自分ではまだ客観性を持って表現できていない状態でしたが、第2クールの後半に伺った甲府の桜座で、感じる何かを掴めた瞬間がありました。

第3クールになって、ノード・ピアノというデジタル・ピアノでの演奏をするところが連続で増え、ノード・ピアノならではの表現をこの何本かで突き詰めることができました。デジタル・ピアノとはアコースティック・ピアノとは全く別物の楽器として向き合わないといけないので、それを追求できたこともまたひとつポジティブな財産となりました。

そして第3クール中盤辺りからまたアコースティック・ピアノに戻ったわけですが、地方ツアーラストの盛岡まで、疲れも相まって、またあらゆる表現の方向性やスキルの矛先など、上っ面の良からぬ方向へと行ってしまい、納得のできる域には程遠いものとなりました。

こんなアップダウンの都度、美奈子さんは大切なことを少しづつ助言してくださいました。美奈子さんは一切何があろうが揺るぎなくブレず、その周りでフラフラしている浮ついた自分をきちんと導こうとしてくださいました。

何十年とやってきてるプロなんだから、自分で気をつけてストイックに集中してブレることなく臨まないといけないということは重々理解していても、心地よい楽しさや人の評価に気をとらわれたり、ディテールでミスをしたり、そもそもの方向性をはき違え出したり、いろんなことがありました。

北海道シリーズが終わり東北に戻り、今一度真摯に見つめ直すというメンタリティとなり、ツアーも残り4本とかになった頃ようやくハッと気づくことがありました。最後の最後に、2人でこだわって紡いできた「Tokyo Tendaberry」というコンセプト、質感、場所、季節、色、香り、温度、湿度、佇まいなど、その本質に立ち返ることができたような気がしてます。

その時々で、しっかりとNO!そしてYES!と大きな愛情と敬意を持って言ってくださる美奈子さんが導いてくださったことは、かけがけのない価値であり大きな大きな財産です。

「非常に孤独であるが、揺るぎないが故に、誰にも評価されない、と言うか、評価出来ない音楽家になって欲しい。」

生活も生き方も人間性も音楽も、ぜーんぶ同じなんだと。普段が大切なんだと。その場の上辺の取り繕いは通じないと。

最後の目黒BAJでのライブは、そんなあらゆることを集大成にして、緊張感は持ちつつも平常心で楽しく心地よくやりきれた気がしてます。まだまだ納得いく境地には辿り着けていなくとも、これからの自分自身にかかっているんだなってことも含めて、また日々粛々と普段から磨きをかけていこうという決意も、自身の中で確認することができました。

今回もまた、心からの感謝の気持ちでいっぱいです。ブレることなく本質を見つめて生きている吉田美奈子さんは、優しさや愛情もまた本物中の本物な方です。そしてそれが歌に曲に詞に音楽にさらけ出るからこそ、あの世界でひとつしかない偉大な存在そして音楽になるのだと、僭越ながら確信しました。

本当にありがとうございました。それにしても寂しくなります。複雑です。このツアーでの生活から日常に戻るのに精神的エネルギーが必要です。

このツアーに来てくださった方々、お世話になった各地のスタッフの皆様、オーガナイズとツアー・マネージメントそして運転やセッティングから音響面のサポートまでしてくださった桜井様ご夫妻、ありがとうございました。

最後に、今回のセットメニューを書かせていただこうと思います。まるで一枚のトータル・コンセプト・アルバムを聴いているような、映画を観ているような、そんな今回のメニューが大好きです。

吉田美奈子&森俊之 DUO 2018
「Tokyo Tendaberry」

TALE OF THE SEASONS
CORNER
BEYOND


悲しみの停まる街
RADIANCE

ボン・ボヤージ波止場
千年紀の朝
友達〜TANG TANG
少しだけ…

TEMPTATION

(ec) その日に雰囲気で自由に決める

夢で逢えたら、THANKS TO YOU、星の海、愛があたためる、THE LIFE など
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