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Carole King & James Taylor@武道館

Carole King & James Taylor@武道館に行ってきました。
明日も当日券あれば行こうかなという勢いです。

C.Kingは前回オーチャードホールで見たので、その佇まいや歌声などはある程度予測できたのですが、生のJ.Taylorを初めて見る自分はもう感動の嵐で、昔から聴いたままの素晴らしい歌声そしてアコギ。感無量で何度泣きそうになってしまったことか・・・まだ2つ本番が残っているので、曲名やセットリストは言えませんが、9割方知っている曲をやってくれました。1曲だけ聴きたかった自分的な超名曲中の名曲があるんですが、それはやらなかったです。70年代にアメリカで起こったシンガーソングライター・ブームのはしりである2人の共演を見逃すわけにはいかなかった・・・幸い入っていたリハーサルが早く終わったので、何ヶ月も前からキープしていたチケットを片手に武道館に行くことができました。ホワイト・アメリカンの極致だったと、僕は思います。

今回は、なぜにこんなにこだわったかというと、サポートメンバーが凄いのです。ラス・カンケル(dr)リーランド・スクラー(bass)ダニー・クーチマー(E.Gt)という、70年代にC.KやJ.Tの名盤に参加していた世界トップレベルのミュージシャン達が、バンドメンバーで来るって言うじゃないですか!この3人のように歌を支えたいと思って日々精進している自分には、もう絶対に見逃せない貴重なライブなわけです。

ラス・カンケルの、レイドバックしつつも絶対に遅れないタイム感そして独特のスピード感や音色の良さ、リー・スクラーの感じている音符の長さそして太くて上物をビシッと支える対旋律のようなベースライン、歌の合間に「これしかないよね!」っていうオブリガードを奏でソロになると独特のブルージーさを醸し出すダニー・クーチ・・・よくこの年齢でこんな凄い演奏ができるなと、舌を巻きます。凄い集中力そして懐の大きさそしてグルーヴ。

JTのようなアコギのグルーヴを日本人でやれる人を見たことない自分は、本物を見て腰が抜けそうになりました。やわらかく美しいアルペジオ。だから「しっとりゆるーく」みたいに誤解している諸氏が多いんですが、実は全く逆で、ドラムがいらないほどあの右手の指の動きだけで「シャキーっとタイトに」グルーヴしてるんですよね。(「One Man Band」のDVDをご覧あれ)今回のライブ、あの右手の動きとノリを見て聴くだけでも15000円払う価値がある。

そこへきて、あのセクションの3人でしょ・・・悪いはずがない。

ラス・カンケルの、ともすると重く聞こえるバックビートに対して、他のメンバーがどう乗れば心地よくグルーヴできるかを、理屈じゃなく耳と身体でわかっている感じとでもいうのか。これはミュージシャンじゃないとわからないと思うんですが、その目の前にあるドラムをどうグルーヴさせるかという、つまり周りの演奏の仕方で、そのドラムが重くにも軽くにもなるという。そこでスピード感とグッとくるレイドバック感を損なわない術というのか。

外国人とセッションすると、そういう感覚になるんですよね。特にアメリカ人。
かつてNothing But The Funkをやった時、スティーブ・フェローンやディーン・パークスとL.Aでレコーディングを体験した時、あの中野サンプラザでスティーブ・ガッドとやった時、そういう感覚を味わいました。これらドラマー(ここで言うなら各々、沼澤尚〜スティーブ・フェローン〜スティーブ・ガッド)は、自分のグルーヴに一瞬の迷いもなく1小節目の1拍目から「ここっ!!」ってくるわけです。そのドラムに対して、ドラム以外の周りのミュージシャンが、つじつま合わせのように場所場所でドラムに合わせようと演奏しないわけです。合わせようとするのではなく、そのドラマーが出すグルーヴのスウィート・スポットを各メンバーが感じ、そこに対してそれぞれのタイム感で演奏をすると、そのドラムのグルーヴはもの凄いことになるという。そういう感覚です。それが、もの凄くいい音(音がめちゃくちゃよかった!)でステージで行われている・・・そういう感じって、黒人も白人も持って生まれたものを持っています。(A級な人に限るんですが)

今回、超A級メンバーを引き連れてきているんで、その様がまざまざと伝わってくる!!J.Tはアコギのアルペジオを、決してラス・カンケルのタイムに合わせようとは、一切弾いていない。ラス・カンケルがJ.Tのアコギに合わせようともしていない。「ここだ!スウィート・スポットは!」と感じたら、それを曲の最後まで各々がきちんと集中してやりきる。リー・スクラーもキックのタイミングだけにあてればいいか、みたいな演奏をしていない。ダニーのギターも、キャロルのピアノも、サイドキーボードの人の演奏も全部そうです。ラス・カンケルやアコギのグルーヴの旨みを知り尽くして、ここで乗ればラスのスネアのタイムが心地良いところにいく!って思ってみんな「理屈じゃなく感覚で」演奏している。それこそが、我々日本人に最も欠落した部分なのかもしれないと、僕は(僕個人的に)思います。

決して揺れないってことではないんですよね。ともすれば、揺れまくってます。でもその揺れが心地良いんです。ジワーっとバンド全体でくるから。それはなぜか?やはりもの凄く歌を聴いて演奏しているわけです。でも歌に合わせようなんて絶対にしていない。逆に提示している。提示しながらも双方に影響し合いながら、あのもの凄く宇宙のような時空を作り出している。だから超A級なわけです。できないですよ、ほんとできない。

今のJ.Tのバンドも凄いです。(スティーブ・ガッド〜ジミー・ジョンソン〜ラリー・ゴールディングス〜マイケル・ランドー)今のバンドもそういう独自のバンド・グルーヴを持っている。このセクション(ラス・カンケル〜リー・スクラー〜ダニー・クーチ)も持っている。どっちがいいとかではなく、どちらも超絶世界トップレベルなわけで、もうそれを味わえただけでも僕ごときは死にそうになります。

明日も行きたいなぁ・・・明後日の横浜も行きたいぐらいだ。できれば、このワールドツアーの中でもナッシュビルでの演奏を現地で見てみたいもんです。アメリカ本土でもナッシュビルって尋常じゃないですからね・・・

久々に歌もののライブを見て大いに感動し、大いに勉強するはめになりました。百年かかってもあのレベルにはいけないかもしれないけど、自分なりの追求をやめるわけにはいかないと決心した夜でした。
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